東証1部上場の呉服小売りチェーン、さが美をめぐり、投資ファンド2社による争奪戦の様相を呈している。さが美の親会社にあたる旧ユニーグループ・ホールディングス(現ユニー・ファミリーマートホールディングス)は8月、アスパラントグループ(東京)に売却すると発表、アスパラントはさが美の株式公開買い付け(TOB)を実施中だ。
これに対抗し、ニューホライズンキャピタル(東京)がアスパラントを上回る株式買い付け価格を示して買収を提案している。
さが美は呉服市場の縮小などが逆風となり、本業のもうけにあたる営業損益が2016年2月期まで5期連続で赤字となるなど、業績不振が著しい。旧ユニーはファミマとの統合を9月に控えた8月17日に、保有するさが美株のすべて(全体の55.49%)をアスパラントに売却すると発表。これを受け、アスパラントは翌18日から10月11日までの期間でTOBを進めている。さが美も、アスパラントのTOBに賛同している。