タカタ、米で破産法申請を検討か 1兆円リコール費用重く 日本でも法的整理検討へ

 タカタの欠陥エアバッグのリコール(回収・無償修理)問題で、米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は7日、タカタが米連邦破産法の適用申請を選択肢の一つとして検討していると報じた。ただ、エアバッグの調達が滞る懸念などから、破産法申請には自動車メーカーの反発も避けられず、先行きは見通しにくい。

 同紙によると、タカタの米国法人が連邦破産法の適用申請を検討。タカタの再建策を練る第三者委員会は、自動車メーカーが肩代わりしている1兆円規模にのぼるリコール費用の分担を、連邦破産裁判所で協議することを視野に入れているという。タカタは並行して、日本で法的整理の申請も検討する。タカタは同紙の報道について「コメントを差し控える」とした。

 法的手続き案が浮上したのは、増加するリコール費用がタカタの財務基盤を圧迫しているためだ。タカタの平成28年6月末時点の自己資本は約1090億円にすぎない。自動車メーカーから1兆円規模の支払いを求められれば、ひとたまりもない。経営破綻を避けるため、余力のあるうちに法的手続きを使って債務の整理を進めながら、経営立て直しを図るとみられる。

 タカタの第三者委員会は、経営再建を担うスポンサー企業選定を本格化している。9月に行った一時入札では、米投資ファンドと組む化学メーカーのダイセルなど5陣営が応札した。タカタは10月に2陣営へ候補を絞り、年内に最終決定する考えだ。