■緊急報道の重要性を強調
中央大学・フジサンケイビジネスアイ寄付講座が13日、中央大(東京都八王子市)で開かれ、前NHK専務理事の塚田祐之氏の講演が行われた。
塚田氏は、日航機事故や阪神淡路大震災、東日本大震災を題材に緊急報道の重要性や現場の実情などについて講演した。
塚田氏は「大きな事件、事故報道も、数行の情報から始まる」と指摘した上で、「わからないなかで何ができるのか、何が正しい情報なのかを考え続けていかねばならない」などと報道する側の姿勢について語った。
インターネットが普及した最近の情報環境にも言及。「(テレビや新聞が発信する)情報にはヒト、モノ、カネがかかっている。情報はただではない」と述べ、「ネット上のものも含め、消費者は正しい情報をきちんととらえる力を持つべきだ」と強調した。
塚田氏は30年間にわたりNHKのディレクターやプロデューサーとして報道現場の最前線で活躍。2010年2月に理事、12年4月に専務理事に就任。今年2月、任期満了に伴いNHKの専務理事を退任した。
寄付講座は来年1月までの毎週木曜日に、各界で活躍するトップリーダーを迎えてさまざまな指針を提示していく。