この育成活動によって社内人脈が増え、部門の壁を越えた協業活動につながったり、視野が広がったりすることで仕事の仕方に変化が見られる。また、業務の30%を占める非定常業務の「考える」「判断する」という専門性を発揮する領域の広がりが見られるなど、他部署にかかわることなど考えられなかった管理・技術などの部門が他部門に対して協力的になり、相互に対話が活発化する姿も見られるようになる。
(5)役割と分担の明確化で本来の組織活動が活性化する。
役割と分担があいまいなために課長の職務内容がわからないまま、プレイングマネジャーとして働くことをやめる。
マニュアルから業務機能の現実的な理解が進み、定常業務は担当者に任せ、課長はおおむね方針の遂行と業務のQCD(品質、費用、納期)のレベル管理および不具合対応、異常・例外処理、部下の育成など本来の業務であるマネジメントに力が入れられるようになる。
これら5つの課題が業務プロセスの可視化法およびチャート作成システムによって解決でき、経営資源、特に人材の「最少投入で、最強組織をつくる」ことができるようになる。
この活動の原点は、一人一人のモラルを高め、強力な組織力を発揮できる環境をつくって生産性向上に寄与することにある。ホワイトカラーにふさわしい先導役を担えるようになる。
次回は、業務プロセスと人工知能について考える。