日用品・化粧品各社、中国人を口コミで攻略 展示会やSNSでブランド浸透図る (3/4ページ)

口コミでヒットを飛ばした経験を持つ大日本除虫菊の展示ブース=9月24日、東京・秋葉原
口コミでヒットを飛ばした経験を持つ大日本除虫菊の展示ブース=9月24日、東京・秋葉原【拡大】

 「Q・B・B」ブランドのチーズで知られる六甲バターは初めて出展した。「空港近くの店舗では売れ行きが好調な商品も出ている。口コミで情報が広がりブランドの知名度が向上すれば」と担当者は期待を込める。

 末端まで効能訴求

 中国で2兆円の流通市場を形成したといわれている「プロショッパー」を対象とした越境EC事業に本格的に着手した化粧品卸ベンチャーのブルームス(東京都中央区)にとっても、口コミは武器だ。

 プロショッパーはソーシャルネットワークを通じてグループを形成、そのメンバーに日本の商品を売り込むため、爆買いブームの裏方ともいわれてきた。ブルームスの沖野真紀社長は中国最大級のSNS「ウィーチャット」を通じて面談を繰り返し、日本の在住者を含め2000人と手を組むことに成功した。同社は中高級価格帯のスキンケアや美顔器など、美容や健康に特化した商品を紹介、卸販売を行う。

 主婦や会社員で構成されるプロショッパーはそれぞれ、数百人から4000人程度の顧客を抱えており、月10万~300万円ほどの利益を得る。口コミで効能などが末端に広がっていくシステムを構築したため、ブルームスに委託したメーカーは、独自で宣伝を行わなくてもブランドが浸透していく仕組みだ。また、言語の壁を乗り越えたことで「『こういったものを売っていきたい』といった仕掛けを行いやすくなる」(沖野社長)というメリットも生まれた。

商品アドバイザーを育成し口コミの相乗効果を目指す