ルネサス、車載ソフト複雑化に対応 「R-Car」搭載開発キット

 ルネサスエレクトロニクスは19日、車載情報機器向けのシステムLSI(大規模集積回路)「R-Car(アールカー)」を搭載したソフトウエア開発キットの新製品2種類を11月から順次発売すると発表した。自動運転車の導入に向け、大規模・複雑化する車載ソフトに対応。企業や大学のソフト開発者に低価格で広く提供して技術開発を促し、安全性などの向上につなげるのが狙いだ。

 キットの参考価格(税別)は一般車向けの「プロ」が5万円前後、高級車向けの「プレミア」が8万円前後。「R-Car」は画像認識の精度が高く、電力効率が優れているのが特徴。車載カメラなどから入力される大量の情報を処理でき、歩行者や標識を見分け、自動運転車での活用が期待される。

 キットは、運転者の疲労や居眠りなどの体調変化を検出して居眠り運転などを未然に防ぐための「ヒューマン・マシン・インターフェース(人間と機械の相互関係)」や、コンピューターが膨大なデータを処理しながら理解を深める「ディープラーニング(深層学習)」などの技術開発に対応する。

 また、「プレミア」と、車体制御用マイコンなどを組み合わせた高度自動運転向けのソフト開発キットも来年2月に発売する。実車搭載して研究開発ができ、評価試験のスピード加速につなげる。価格は未定。