サントリー、セブン限定「プレモル」発売 差別化でビール販売強化

セブン&アイ・ホールディングスが25日から発売するサントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」のグループ限定ビール=19日、東京都千代田区
セブン&アイ・ホールディングスが25日から発売するサントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」のグループ限定ビール=19日、東京都千代田区【拡大】

 サントリービールは19日、主力の高級ビール「ザ・プレミアム・モルツ」で、セブン&アイ・ホールディングス限定商品を25日に発売すると発表した。主力ナショナルブランドで販路を限定した商品を投入し、販売をてこ入れする。若者を中心にビール離れが進む一方、税制改正でビールの税率が引き下げられるとの観測もあり、各社は差別化商品の投入などで強化に乗り出している。

 新発売する「ザ・プレミアム・モルツ スパークリングゴールド」は製法は基本的に変えず、麦芽やホップなどを一部変更した。価格は350ミリリットルが262円、500ミリリットルが341円と従来品と変わらない。

 コンビニ「セブン-イレブン」や総合スーパー「イトーヨーカドー」などで販売する。セブン-イレブン・ジャパンの石橋誠一郎取締役は「新しいマーケットを創造する」と説明した。

 アサヒビールなど大手5社のビール類(発泡酒、第3のビールを含む)の2016年1~9月期の出荷量は前年同期比2.1%減と12年連続で前年割れだった。年間でもマイナスとなる公算が大きい。

 需要が減少するなか、来年度にもビールの税率が引き下げられるとの観測があり、各社は「ビールの力を付ける」(サントリービールの岡賀根雄常務)として、発泡酒などから経営資源をシフトしつつある。とくに消費者の好みが多様化しているため、主力商品を大量生産する発想からの脱却を進めている。

 サッポロビールもサントリーと同様、6月に主力の「エビス」でセブン限定商品を発売。キリンビールはクラフトビールのパイオニアとされる米ブルックリン・ブルワリーと資本業務提携するなど、少量生産ながら個性で勝負するクラフトビールを強化している。