三菱自、日産から34%出資受け入れ 益子社長は留任「批判は覚悟」

 三菱自動車は20日、日産自動車から議決権ベースで34%の出資を受け入れたと発表した。日産の出資額は2370億円で、三菱自の筆頭株主となった。三菱自は同日、12月14日付で会長に日産のカルロス・ゴーン社長(62)が就き、益子修会長兼社長(67)が社長に留任する人事を発表。燃費不正問題で業績が悪化している三菱自は、日産との提携で年250億円の提携効果を捻出し経営再建を急ぐ。

 益子氏は燃費不正問題を受け、日産からの出資を受け入れた後に退任する意向を示していた。ただ、ゴーン氏は日産との資本業務提携を主導した益子氏が三菱自の再生に欠かせない存在だと判断し、続投を強く要請したという。益子氏は同日の記者会見で当初は留任を固辞したことを明らかにした上で、「来年度から始まる中期経営計画の策定に取り組むことも経営責任だ」と述べ、批判を覚悟で要請を受け入れたと説明した。

 三菱自は、ゴーン氏以外にも日産から川口均専務執行役員と軽部博常務執行役員を取締役に迎える。人事は12月の臨時株主総会を経て正式に決める。

 提携により三菱自は2017年度に250億円、日産は237億円の相乗効果を見込む。