タオル産地として知られる愛媛県今治市のタオルメーカー、一広(いちひろ)は、タンパク質などを分解する作用を持つ触媒物質を固着させたタオル類を開発、来年から発売する。アレルギーの原因となる花粉やカビ、臭いの原因となる脂肪酸などを水と二酸化炭素(CO2)に分解する高機能性を訴求し、販売チャンネルを拡充する。また、触媒物質の繊維製品への加工技術を進展させ他社との連携を図る方針だ。
今回採用した触媒物質「ハイドロ銀チタン」は創薬・衛生用品開発を手がける「DR.C医薬」(DR、東京都新宿区)が開発した物質で、光触媒に使われる酸化チタンに、銀とハイドロキシアパタイトを同社が一体化したものだ。光が当たることで作用する光触媒とは異なり、今回の触媒物質は光が当たらなくてもタンパク質や脂肪酸などを分解できる。また、ハイドロキシアパタイトが花粉やカビなどを吸着する作用を持つ一方、分解能力が過剰に働かないように抑制する役割も果たすため、直接、肌に触れても安全だという。
一広はDRと提携し、反物にハイドロ銀チタンを均一に固着させる技術を独自開発し、今治市の自社工場に専用ラインを新設した。自社の耐久性試験では洗濯50回後も安定していたという。商品は「ハイドロ銀チタンシリーズ」として展開するが、触媒物質の固着量を2段階に調整、商品説明にも表示して目的に合わせて選べるようにした。
固着量の少ない方はカビや臭いの元となる脂肪酸などを、多い方は花粉やハウスダストをケアしたい人向けとした。フェースタオル、バスタオルといったタオル類のほか、食器用ふきん、よだれかけ(スタイ)など10アイテム26点で展開予定で、ウオッシュタオルが1080円~。