名作アニメ「機動警察パトレイバー」、新鋭・吉浦康裕監督でREBOOT (1/2ページ)

「機動警察パトレイバーREBOOT」場面 (C)HEADGEAR/バンダイビジュアル・カラー
「機動警察パトレイバーREBOOT」場面 (C)HEADGEAR/バンダイビジュアル・カラー【拡大】

  • 右から出渕裕さん、吉浦康裕さん、氷川竜介さん
  • 「機動警察パトレイバーREBOOT」監修でメカニカルデザインの出渕裕さん
  • 「機動警察パトレイバーREBOOT」を監督した吉浦康裕さん

 アニメーションの「機動警察パトレイバー」が帰ってきた。庵野秀明監督が率いるアニメーションスタジオのカラー(東京都杉並区)とドワンゴ(東京都中央区)が企画し、毎週1本の新作アニメーションをネット配信してきた「日本アニメ(ーター)見本市」の特別編として「機動警察パトレイバーREBOOT」が登場。劇場上映を経てブルーレイディスクやDVDとして販売される。監督を務めたのは映画「サカサマのパテマ」監督の吉浦康裕氏。自主制作から世に出てステップアップを続けているキャリアは、大ヒットしている「君の名は。」の新海誠監督と重なる。幅広い世代に人気があるパトレイバーを手がけたことで、新海監督の後を追うクリエーターの最前線に名を連ねた。

 警視庁の警察官が乗り込んで操る二本脚歩行のロボットが、騒ぎを起こすロボットを取り締まるという設定で、1988年にアニメーションと漫画がスタートし、小説などにも広がった「機動警察パトレイバー」。2002年に劇場アニメーション映画「WXIII 機動警察パトレイバー」が公開された後は、最初のアニメーション版を手がけた押井守監督が実写で「THE NEX GENERATIONパトレイバー」を作り、劇場で上映していた。

 「機動警察パトレイバーREBOOT」は、アニメーション版のパトレイバーとして14年ぶりの新作。復活を待ち望んでいたファンも多く、10月15日の上映初日には大勢が劇場に詰めかけた。そんなファンの喝采を浴びて、15日夜に行われたトークイベントに登壇した吉浦康裕監督。30年近い歴史を持ち、幅広い世代のファンを持つ作品だけに、「作っている最中は楽しくて仕方がなかったが、作り終えて上映される今日の午前中まで、判決を言い渡される囚人の気分だった」と、登壇までの気持ちを振り返った。上映後に拍手が出たことに「ほっとしています」と喜んだ。

 「機動警察パトレイバーREBOOT」では、パトレイバーなどロボットの描画に3DCGが使われている。最近のアニメーションでは2Dと3DCGの融合は当たり前だが、以前のような手描きの作画を好むファンもいるだけに不安もあった。それでも「ロボットアニメ的なデザインをしていても、あくまで重機」だから、CGでの作画もなじむと吉浦監督らは考えた。今回のパトレイバーも含め、シリーズで主役となるメカをデザインしてきたのは日本を代表するメカニックデザイナーの出渕裕氏。「もともとCGの方がパトレイバーには親和性があると思っていた」と、登壇したトークイベントで明かした。

 新作でも、パトレイバーの基本的な形は変わっていないが、よく見ると細かい部分まで作画されている。手による作画では手間をかけられないため省略した部分が、CGではしっかりと描き込め、実際に存在していそうなメカらしさを出せた。それでいて、舞台になった東京の下町になじんでいる。技術の進化を取り入れながら、以前のテイストも残したことで、古いファンと新しいファンの両方を満足させる作品に仕上がった。

 出渕氏だけでなく、脚本家の伊藤和典氏、漫画版の「機動警察パトレイバー」を手がけたゆうきまさみ氏もバックアップを行った。「脚本の最後のフィニッシュを伊藤和典さんにしていただいたら、キャラクターのセリフ回しを変えた。その瞬間にパトレイバーになった」と喜んだ吉浦監督。逆に出渕氏は「当時好きだったという人にバトンを渡せた。これからは好きな人がリメイク、リブートをやるべき」と、新しい才能の登場を歓迎した。

14年ぶりにアニメーション化される可能性があると聞いて即座に「自分がやります」と挙手