国内自動車8社が27日発表した平成28年度上半期(4~9月)の世界生産実績は前年同期比3.0%増の1345万615台となった。中国販売の好調でトヨタ自動車やホンダなどの生産が上半期の過去最高を更新した。一方、トヨタが同日発表した1~9月のグループ世界販売は0.4%増の752万9千台で、2.4%増の760万9千台だったドイツのフォルクスワーゲン(VW)に及ばず、1~6月に続きVWが世界首位を維持した。
上半期の国内生産は0.2%減の416万8495台とほぼ横ばい。一方で海外生産は軒並み伸びた。国内販売は、トヨタとダイハツ工業、富士重工業を除く5社で減少した。特に燃費不正問題で軽自動車などの販売を一時中止した三菱自動車は37.4%減、三菱自から軽の供給を受ける日産も20.2%減と大幅なマイナスになった。同じく燃費不正問題が発覚したスズキは1.9%減だった。
一方、1~9月の世界販売ではトヨタのグループ販売(ダイハツ、日野自動車含む)がVWを約8万台下回り再び2位に甘んじた。トヨタは欧州やアジアの販売が好調だったものの、ガソリン安に伴い主力の米国で燃費の良い乗用車販売が伸び悩み、中国で大きく販売を増やしたVWに届かなかった。両社の差は1~6月の12万5千台から縮まったものの、VWは引き続き中国販売が好調で、米国などでトヨタがどこまで巻き返せるかが、年間首位争いの行方を左右しそうだ。