少子高齢化で家電市場が縮小する中、ヘアドライヤー市場が活性化している。パナソニックが9月に新製品を発売したナノケアシリーズは髪を乾かすだけでなく「髪質改善」の付加価値機能が人気で、高価格帯ながら家電量販店売り場でシェアトップに。今年は掃除機で知られる英家電メーカーのダイソンも、髪を傷めずに素早く乾かす軽量の高性能製品で参入。ヘアサロンやエステで使用されてきた機能などが「時短美容」を求める女性の心をつかんでいる。
ヘアドライヤーの売り場平均価格は4000~5000円とされてきた。これに対し、パナソニックの新製品の参考価格は2万1000円前後(税別)、ダイソンは4万円超と高額だが、販売は好調だ。
調査会社GfKジャパンによると、2015年度のヘアドライヤーの価格帯別数量構成比は5000円未満(72%)、5000円以上1万円未満(8%)がいずれも前年同期比で縮小しているのに対し、1万円以上(20%)は7ポイント上昇し、高機能・高価格帯の商品が市場を牽引(けんいん)している。
パナソニックのナノケア新製品は9月発売から1カ月で、全国有力家電量販店の販売数量でシェアトップとなった。微粒子イオン「ナノイー」が髪にうるおいを与え、うねりを抑えるという。ターゲット層の20~30代女性を中心に売り場で指名買いが起き「髪を乾かしながらお手入れする“ながら美容”が支持されている」という。