サムスン発火問題でグーグル新スマホの注目度上昇 iPhoneとどっちが買い? (2/3ページ)

 さらにピクセルXLは基本ソフト(OS)がノート7と同じアンドロイドであることも重要な利点だ。アナリストは「高機能スマホの間での性能の差はわずかでしかない。最も重要なのは新しいスマホで今まで通りのアプリを今まで通りの操作で使えるかどうかだ」と指摘する。

 ただしスマホ向けOSでアップルの「iOS」とシェアを争うグーグルも、スマホ本体のメーカーとしては新参者でしかない。今回のピクセルXLと、同時発売の「ピクセル」(5インチ)は、グーグルが自社ブランドで開発・販売する初めての商品。このためピクセルXLが消費者に受け入れられるかには不透明さも残る。

 その点、アップルが9月に発売した「アイフォーン7プラス」(5・5インチ)には高いブランド力がある。市場ではノート7が半年で1400万~1000万台の販売を見込んでいたことを根拠にして、「ノート7の販売停止はアップルに年間800万台の販売増をもたらす」との試算も出ている。

 また仮にノート7の欠陥がファブレット以外の製品のブランド力にまで波及すれば、他メーカーにとっての追い風はさらに大きくなる。スマホの世界市場でのサムスンのシェアは2016年4~6月期で22・8%で、2位のアップル(11・7%)に2倍近い差をつけている。しかしファブレット以外の製品では市場の頭打ちが目立っており、サムスンの販売台数が中国の華為技術(ファーウェイ、シェア9・3%)やブランド力で勝るアップルに削られていく事態も想定される。

絵空事ではないサムスンにとっての「悪夢のシナリオ」