■連載/阿部純子のトレンド探検隊
◆米国ウォルマートのスケールメリットやグローバル調達網をフル活用
西友の生鮮食品事業戦略についての記者発表会が開催され、生鮮食品事業責任者のウォーリー・ボッケル氏より、さまざまな施策や取り組みが発表された。ボッケル氏は2014年5月まで日本で直輸入分野の食品を担当した後、ウォルマート・カナダに渡り、商品本部のシニアプロダクトマネージャーを約2年勤めて日本に戻ってきた。日本で培った直輸入ビジネスのノウハウ、海外の好事例を肌で感じてきた経験から、西友の生鮮食品のさらなる強化に取り組んでいる。
2014年4月からスタートした「生鮮食品 満足保証プログラム」では、調達、物流、店舗での鮮度管理までの各プロセスを強化して、品質や鮮度の大幅な改善を行ってきた。昨年の2015年はプログラムをさらに強化し、アメリカ産豚肉の直輸入スキームを導入。その結果価格を引き下げることができ、売上が前年と比べ1.5倍に伸びたアイテムも出てきた。
物流は品質管理のチームを各物流管理センターに配置し、店舗だけでなく配送センターでの品質管理を強化した。店舗においては、鮮度チェックプログラムを実施して、店舗における鮮度チェックのチームが日々、特に生鮮食品の売り場で販売に相応しくない商品があればチェックし撤去する。
このような取り組みの結果、2015年度は生鮮食品のカテゴリーにおいて前年比約6.5%増の売上を達成。毎月行っている顧客への満足度店頭調査でも、食品の鮮度への評価が77.4%という過去最高水準に達した。