「ソフトバンクが拒否」日本通信が憤り 総務省に申立て 週内の有識者会議に注目 (3/3ページ)

日本通信の福田尚久社長
日本通信の福田尚久社長【拡大】

  • ソフトバンクの宮内謙社長

 ソフトバンク側は、10月13、17日に開かれた会合で、SIMロック期間の短縮に言及。「180日間を120日にすることを検討している」と具体的な日数も示した。この発言は直接、日本通信の主張に回答したものではないが、SIMロック期間が短縮されれば、ソフトバンク利用者がMVNOに移ることができる“待ち時間”も短くなる。有識者からはSIMロック期間を0日にするよう求める声も出ており、実現すれば全ての端末がSIMフリー端末となる。

週内に有識者意見

 有識者会合は週内に意見を取りまとめ、総務省はSIMロック指針の見直しなどを検討する。一方、日本通信の申立書に対する判断は「数カ月からそれ以上」(総務省幹部)かかる見通しで、会合とは別の時間軸で進行する見込み。それでも、SIMロック期間の短縮などの指針の見直しが、総務省の判断に影響する可能性もあり、予断を許さない状況だ。(大坪玲央)

【用語解説】日本通信

 日本通信 1996年5月創業。2001年に日本で初めての仮想移動体通信事業者(MVNO)として、PHSのデータ通信で同事業を開始。07年にはNTTドコモから回線を借りる際の接続料をめぐって総務相裁定を申請。格安条件で通信網を利用する権利を獲得した後、08年からドコモの第3世代携帯に対応したMVNO事業を開始した。しかし、楽天やイオンなど異業種のMVNO参入が相次いだことなどでシェアが低下。今年8月には個人向けのMVNO事業から撤退した。3月末現在で社員数は123人。本社は東京都港区。