ホンダの八郷隆弘社長は21日、産経新聞などの取材に応じ、北米で人気が高まっている「ライトトラック」と呼ばれる車種の環境規制への対応について、「プラグインハイブリッド車(PHV)を検討する」と述べた。ホンダは2017年に米国市場でセダンのPHVを投入する予定。ライトトラックにも順次展開し、環境対応を強化する。
ホンダは3月に販売を始めたセダンの燃料電池車(FCV)「クラリティ フューエルセル」の派生モデルとして、電気自動車(EV)とPHVを来年投入する。八郷社長は「EVは法規制への対応や、電池技術の研究に必要になる」と指摘した。
ただ、ライトトラックはスポーツ用多目的車(SUV)やミニバンなど大型車が中心で、1回の充電あたりの走行距離を伸ばすには電池の大容量化などが必要になる。八郷社長は「ライトトラックはすぐにEVは難しい」と述べ、ガソリンエンジンとモーターを併用するPHVで対応する方針を示した。
北米市場のうち約6割を占めるライトトラックでも環境対応を進め、規制への対策を強化する。
また、北米で昨年発売した主力乗用車「シビック」の販売拡大を受け、「(日本から)輸出できる体制をとりたい。早いうちにやりたい」と表明した。国内で余剰になっている生産能力を輸出に振り向けることで稼働率を向上させ、収益の拡大を目指す。