人口減少や挙式・披露宴の簡素化による逆風下のブライダル業界で、成長を続けるのが「エスクリ」だ。
4月にはリクルート出身の創業社長、岩本博氏が会長に就き、副社長の渋谷守浩氏が社長に昇格した。渋谷氏はもともと奈良県にある家業の建設会社の4代目で、エスクリのグループ会社となったのを機にエスクリ経営陣に加わり、トップに就いた。異業種出身の経営者のかじ取りに注目が集まる中、結婚式場の披露宴会場をレストランにも活用するなど新機軸を打ち出している。
--家業の建設会社「渋谷」の経営者が、なぜブライダル事業会社のトップに
「当社(渋谷)でエスクリの結婚式場などの内装工事を一手に引き受けていたのでブライダル業界にはなじみがあり、岩本会長からも評価されていた。他社から買収提案を受けた際、岩本会長からエスクリの子会社となるよう提案された。エスクリの経営陣に加わり一緒に仕事をするようになって以降、さらに信頼を得て、社長を任されることになった」
--それにしても畑違いでは
「どんな会社でも、経営に求められるものは共通している部分がある。ブライダル業界での経験は浅いかもしれないが、お客さま目線で新しい化学反応を起こしたい」
--どのようなビジネスを
「事業はブライダル、レストラン、ホテルの3本柱。本業のブライダルを守りつつ、それ以外をどう展開していくかが重要だ。結婚式場は遠方から訪れやすい立地にこだわっているほか、高層ビル内の『天空のチャペル』といったコンセプトを明確に打ち出している」