22日に福島県沖で発生した地震により、一部地域で避難の車が渋滞するなど、交通網や経済活動に大きな混乱が生じた。東北新幹線は22日の始発から午前9時すぎまで運転を見合わせ、約2万4千人に影響。上越、山形、北陸、東海道の各新幹線も一時ストップした。仙台空港は運用を一時停止し、利用客も建物の上層階に避難した。
太平洋沿岸部では在来線が運休。首都圏の在来線や私鉄、地下鉄もダイヤが乱れ、朝のラッシュと重なり通勤、通学客に影響が出た。
被災地の周辺に事業所や工場を置く企業は早朝から安全確認や情報収集などの対応に追われた。スーパーやコンビニエンスストア、外食、銀行などでは一部店舗の営業を見合わせる動きもあった。
化学メーカー「クレハ」のいわき事業所(福島県いわき市)では研究施設から出火する被害が出たものの、すぐに鎮火した。けが人はいないという。日産自動車はいわき市のエンジン生産工場の稼働を止め、従業員らが避難した。
半導体大手ルネサスエレクトロニクスは、東日本大震災で大きな被害を受けた那珂工場(茨城県ひたちなか市)の装置を一時停止したが、再開作業を進めた。アサヒビールの福島工場(福島県本宮市)、キリンビールの仙台工場(仙台市)の設備にはともに影響がなかった。