アパレル、収益源多様化急ぐ オンワードは食の通販サイトで衣料と相乗効果狙う (2/2ページ)

新設したECサイトをPRするオンワードHDの保元道宣社長=22日、東京都港区
新設したECサイトをPRするオンワードHDの保元道宣社長=22日、東京都港区【拡大】

百貨店不振で打撃

 一方、飲食事業への進出も目立つ。TSIホールディングスは、米国の人気ベーカリー「ドミニクアンセルベーカリー」と合弁会社を設立、昨年6月から東京・表参道で1店舗を運営している。「コムサイズム」などのブランドを展開するファイブフォックス(東京都渋谷区)はグループ会社を通じ、全国各地の希少性が高い果物を使ったケーキなどを提供する「カフェコムサ」を展開。現在の約30店から、2~3年後には50店に増やす方針だ。

 アパレル業界は、深刻な不況に直面している。帝国データバンクの調査によると、1~10月のアパレル関連企業の倒産件数は、前年同期より8件多い257件。中でもオンワードHDや三陽商会のような大手は、販売の落ち込みが激しい百貨店への依存度が高い分、打撃が大きく、新たな収益源発掘が急務となっている。(井田通人、日野稚子)