□P&Gインターナショナル・オペレーションズ ブランドディレクター・木葉慎介さん(40)
--アジア全体の柔軟剤事業だけでなく、日本と中国の洗剤事業も統括している。ブランドディレクターとして多国籍の人材を束ねるにあたって心掛けていることは
「それぞれの国の習慣もあり、日本で働いているときには経験しなかったようなこともある。部下に対しては、日本人として接するのではなく個人をしっかり認識して話を聞くようにしている」
--柔軟剤「レノア」の販売が好調だ。要因は
「グローバルなブランドスケールと日本の消費者向けのデザインが、うまく融合できたことが大きい。特に、8月にリニューアルした『レノアハピネス』は、発売後4週間で前年月間平均の7倍以上の販売を達成した。商品コンセプトでもある対人関係での香りの訴求を徹底したことがヒットにつながった。柔軟剤はこれまで、自分が香りを楽しむということに重点が置かれていたが、日本人は他人の匂いを気にすることが多いことから、30センチという親しい人の距離感に焦点をあてて1対1の中での香りの関係を追求したことが受け入れられた」
--半径30センチの距離に近づくと、花びらとともにレノアハピネスの香りが舞う「ハピネスドーム」を使ったPRイベントを展開している。その狙いは
「大切な人と大切なモーメントを過ごすクリスマスという時期は、大切な人との関係性を振り返る時期でもある。クリスマスとハピネスドームでのPRに親和性があると考えた」
--今後の柔軟剤市場の見通しは
「日本は引き続き拡大していけるとみている。日本の消費者はいろいろなイノベーションに反応しており、柔軟剤を楽しむという習慣ができてきた。付加価値のある商品も含めて、当社としても消費者に喜んでもらえるような商品づくりを続けていく」
◇