原発メーカーなどの関連企業で構成する日本原子力産業協会によると、今年1月時点で稼働している原発は世界に434基あり、建設中が74基、計画中も101基あるなど、潜在需要は大きい。
さらなる再編圧力も
一方、各社とも主力の国内は既存原発の保守や廃炉に軸足を移しつつあり、新規受注が途絶えてもすぐに事業が行き詰まるわけではない。
もっとも、受注の間隔が空くほど、技術や人材の維持は難しくなる。そうなれば、国を挙げて輸出を推進し、手ごわいライバルに成長しつつある中国などとの競争が不利になるどころか、産業の維持すらおぼつかなくなる。
国内市場の縮小が避けられない中、3社は原発燃料事業の統合交渉を進めており、原子炉についても経済産業省が統合を模索している。炉のタイプが違うなど課題は多く、メーカー側では「短期的に結論付ける時期なのか」(電機工業会の志賀会長)と慎重だが、海外進出の停滞が長引けば再編の圧力がさらに増しそうだ。(井田通人)
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■日本が原発輸出を目指す主な国
トルコ/三菱重工業などの企業連合が4基の受注を内定
ベトナム/日本が2基受注も計画を白紙撤回
英国/日立製作所、東芝が現地の原発事業会社を買収し、建設を推進
リトアニア/日立が1基の優先交渉権獲得
インド/11日に日本と原子力協定締結、東芝子会社が6基の受注内定