グーグル日本法人が機械学習技術披露 自然で高精度の翻訳可能に

グーグルのスマートフォンアプリ「フォトスキャン」を活用すると、紙焼き写真がきれいにデジタル化できる=2日、東京都港区
グーグルのスマートフォンアプリ「フォトスキャン」を活用すると、紙焼き写真がきれいにデジタル化できる=2日、東京都港区【拡大】

 米グーグル日本法人は2日、機械学習を活用した最新技術の報道陣向け説明会を開いた。人間の脳の働きをまねした高精度の「ニューラル機械翻訳」や、紙焼き写真をきれいにデジタル化するスマートフォンアプリ(応用ソフト)「フォトスキャン」などを紹介。利便性の向上で、ユーザー数の拡大につなげたい考えだ。

 グーグルは今年9月、103の言語に対応し、5億人以上が毎月利用する翻訳サービス「グーグル翻訳」に、ニューラル機械翻訳を導入。文章全体を見て翻訳する仕組みで、フレーズ別に分解して翻訳する従来の方法のようなぎこちなさがなく、自然で正確な訳文を出す。

 グーグル日本法人の賀沢秀人シニアエンジニアリングマネージャーは、ディズニーアニメ映画「アナと雪の女王」の主題歌「レット・イット・ゴー」の邦題「ありのままで」を引き合いに出し、「機械でもすてきな訳ができたら面白い」と、さらなる技術向上へ意欲を見せた。

 フォトスキャンは起動と同時に、スマホで紙焼き写真の全体を撮影するよう指示し、写真の中央と四隅に白い円を表示させる。スマホを動かして中央の円を四隅それぞれの円に合わせていくと、自動で4枚の写真を撮影して1枚に合成。光の反射や写真の傾きなどを補正し、きれいに写真を保存できる。

 説明会では、開発中の画像の編集、認識技術も披露。人間の写真と有名な画家の画風を合成したり、コンピューターが人間に端末上にタッチペンで動物などの絵を描くよう指示し、正確に描けているかを判定したりする技術などを紹介した。