モルスタMUFGに課徴金2.2億円勧告 「見せ玉」で相場操縦

 見せ掛けの注文を出す「見せ玉」で相場操縦をしたとして、証券取引等監視委員会は6日、モルガン・スタンレーMUFG証券(東京)に対し、2億1988万円の課徴金納付命令を出すよう金融庁に勧告した。男性トレーダーが会社資金で西武ホールディングス株を取引しており、利益の約1億7000万円はすべて会社に帰属していた。

 相場操縦に対する勧告としては過去3番目に大きな課徴金額で、大手外資系証券が勧告対象になるのは初めて。監視委は「組織的関与については金融庁と連携して今後調べる」としている。着服は確認できなかった。

 監視委によると、男性トレーダーは昨年9~10月の14日間、取引の意思がないのに西武HD株約925万株の買い付け注文を出すなどして相場をつり上げ、株価が上がると売り抜けていた。過去の取引で発生した損失を圧縮しようとしたとみられる。