ディー・エヌ・エー(DeNA)の情報まとめサイトで不適切な運営が行われていた問題は、同社の経営に大きな打撃となる。企業ブランドの失墜に加え、飛躍をかけた新規事業の柱である情報サイトの休止は、業績を圧迫しそうだ。
IT新興企業の雄として拡大を続けてきたDeNA。しかし、その快進撃の陰りは、今回の問題が発覚する以前に業績面に現れていた。
2016年3月期の通期売上高は1424億円で前期比増収だったが、伸び率はわずかに1%にとどまる。とくに業界関係者から指摘されていたのが、ゲーム事業の停滞だ。同事業の売上高は1096億円で前期より3%減少した。
その点は、DeNA自身も認識している。同社の守安功社長は7日に開いた記者会見で、「DeNAはゲーム事業で大きく成長したが、2012年くらいをピークに業績が伸び悩んだ。ゲーム事業を立て直す必要もあるが、それ以外に新しい事業を作っていく必要があった」と述べている。
国内ゲーム事業の伸び悩みを前に、DeNAは多角化と海外展開にかじを切った。まず海外部門はどうなっているか。当初は海外売上比率50%を目指し、「真のグローバルリーディングカンパニーに成長していきたい」(同社幹部)と鼻息も荒かったが、10月18日に米子会社を解散すると発表。海外向けのゲーム開発などを手がけていたが、ヒット作が少なく赤字基調から脱しきれなかったためだ。