アサヒ「第3のビール」5年ぶりシェア2位 ビール依存から脱却目指す

インタビューに答えるアサヒビールの平野伸一社長=15日、東京・吾妻橋のアサヒビール本社
インタビューに答えるアサヒビールの平野伸一社長=15日、東京・吾妻橋のアサヒビール本社【拡大】

 アサヒビールの平野伸一社長が15日、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、「第3のビール」の2016年のシェアが3割程度となり、5年ぶりにサントリービールを抜いて2位に浮上する見通しを明らかにした。17年は新製品の投入などで首位キリンビールも抜き「シェア1位を目指す」と強調した。シェア1位になれば、第3のビールを05年に発売して以来、初めて。

 第3のビールの15年のシェアは首位キリンが33.7%、サントリー28.0%、アサヒ26.7%。アサヒは主力「スーパードライ」が牽引(けんいん)するビールのシェアは約50%と断然の首位だが、第3のビールは大手4社の中で最後発で、てこ入れが課題だった。平野社長は「ビールに依存したビジネスモデルから脱却し、各商品でナンバーワンを目指す」と述べた。

 アサヒは香りなどにこだわった「クリアアサヒプライムリッチ」が堅調で、第3のビールの1~11月の販売数量が前年同月比で10%増だった。

 一方、17年度の税制改正でビール類の酒税が統一されることに関しては「10年かけてでも一本化されることは評価できる」と述べた。ビールは減税されるため、ビール比率が高いアサヒには追い風になるとの見方に対しては「どの分野でもトップを目指すので、(有利不利は)関係ない」と述べるにとどめた。