旅行企画会社の「BUZZPORT(バズポート)」(東京都渋谷区)は今年2月、極東や東南アジアの山岳地といった日本ではなじみの薄い地域への旅プランを紹介するインターネットサイト「トラベル プラネット」を開設、会員数を順調に伸ばしている。
若年層の海外旅行離れが指摘される中で、江藤誠晃社長(53)は「魅力的な旅を提案、楽しさを知ってほしい。定番観光や価格競争にとらわれない新しい市場をつくりたい」と決意し、2014年9月に会社を設立した。
サイトを通じて、無料で会員登録できる。ウラジオストクの街並みやシベリア鉄道に乗って極東ロシアを移動するプラン、ラオスの古都ルアンプラバンからメコン川を船で渡り、山岳少数民族の村を訪れる旅などを企画。気に入った旅があれば提携する旅行会社に申し込むことができる。現在は12カ国、計16プランの旅行を紹介しており、現地を専門に扱う旅行会社8社と提携している。
今年6月には、「共有型経済(シェアリングエコノミー)」を意識し、同じ志向を持つ旅の同行者を募集できる新サービス「バディー」を開始した。江藤社長は「一人旅はツアー参加料金が割高となり、旅行会社側にとっては最少催行人数に満たないなどデメリットがあった」と、狙いを説明している。
関心のある歴史や文化、スポーツ体験、訪れたい国や既に旅行した国などをサイトに入力することで、他の人と情報を共有できる。バディーで募集した旅の同行者の興味や渡航経験を確認するのにも役立つ。
会員数は今年11月現在で約1500人。江藤社長は「国内旅行も視野に、ユニークな旅の提案をして、17年中には万単位で会員数を増やしていきたい」と意欲を示す。