【シリーズ エネルギーを考える】電力自由化は少子高齢化に逆行する (6/6ページ)

2016.12.22 05:00


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  • ≪電気料金推移の国際比較≫単位:円/キロワット時、出典:経済産業省が作成した総合資源エネルギー調査会の参考資料

 --人口減少、少子高齢化が進む日本の10年先、20年先を見据えたエネルギー政策はどうあるべきでしょうか

 「とにかくエネルギー政策の基本は、自給率を上げることです。これは戦争に入り、敗戦した第2次世界大戦の教訓として日本人の記憶にすり込まれているはずです。そのためには、ウランは石油の7万分の1の体積で同等のエネルギーを発することから国際的に準国産エネルギーとして扱われている原子力に、60年間使って安全に止めるという本来の役割を演じてもらうことが大事だと思います。そうすれば、原発の安い電力が生む収益を適正に配分し、低所得層に大きな負担を強いている高い電気料金を下げ、お金のかかる再エネ普及のための投資もできます。震災前も震災後も、安い電力を安定的に大量供給するという原子力の機能・役割は変わっていません。また、原発を世界標準で運用していくことも大事です。チェルノブイリの旧ソ連も、スリーマイルの米国も、事故の後も他の原発は動かしていました。福島後に30年の原発全廃を決めたドイツも一部を除いて今も原発を運用しています。それが世界の実情です。将来は再エネを含めた新たな技術開発に期待できると思いますが、今後50年間、日本の電力を低廉な料金で安定的に供給できるのは、原子力しかありません。官邸には強いリーダーシップを発揮していただき、『原発全基即正常化』への政治決断を期待したいと思っています」(聞き手 神卓己)

                   ◇

【プロフィル】石川和男

 いしかわ・かずお 1965年福岡県生まれ。89年東京大学工学部卒。通商産業省(現経済産業省)入省。資源エネルギー庁で石炭政策、電力・ガス事業政策、新エネルギー・再生可能エネルギー発電政策などを担当、90年代に法律改正した電力・ガス自由化に携わる。2007年経産省退官。専修大学客員教授、政策研究大学院大学客員教授、東京財団上席研究員などを歴任。11年から現職。政策家として、社会保障関連産業政策、エネルギー政策、行政改革などに関する政策研究・提言を行っている。著書に『原発の正しい「やめさせ方」』(PHP新書)など。

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