「顔パス買い物」実証へ 三井住友FG、まず社員食堂1000人


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 三井住友フィナンシャルグループ(FG)の宮田孝一社長は21日までにフジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、ITを活用した先進的な金融サービス「フィンテック」の一環で、顔の特徴から個人を特定する顔認証を利用した決済システムの実証実験を進める考えを示した。来年中にも外部の小売店などでも実験を行い、数年後の実用化を目指す。

 まずは、来年1月末まで傘下の三井住友銀行の本店で社員1000人を対象に食堂での支払い時に実証実験を行う。

 顔認証システムは、目や鼻の位置や大きさなどをスマートフォンやタブレット端末を使用して事前に登録する。カメラで事前に登録された顔のデータとを照合し、確認ができたら決済処理する仕組みだ。

 宮田社長は「顔認証という究極の本人確認システムで、お客さまの支払い時の面倒さを取り除きたい」と話した。

 顔認証システムが実用化すれば、決済時に現金やカードをやり取りする手間が省けるなどの利点が想定される。手ぶらで買い物ができるといったことも期待される。

 決済システムとして実用化を目指す一方で、銀行の店頭での本人確認などへの応用の可能性も探る。

 顔認証技術は近年高度化が進んでおり、防犯対策などで活用が進んでいる。