つぶやきは悲鳴に…ツイッター大揺れ 最高幹部が一斉退社 身売り観測も再燃 (3/4ページ)

 それというのも、ドーシー氏は決済ビジネスで急成長した米スクエアのCEOも兼務している。ツイッターに復帰した直後の15年11月にスクエアは上場も果たし、市場や投資家の注目の的。ドーシー氏にとって「ツイッターの経営はどうしても片手間なのでは」(米グーグル関係者)とのうがった見方が絶えない。

 さらに、もともと経営者というよりはアーティスト(芸術家)気質と評されるドーシー氏。米紙ニューヨーク・タイムズの記者が書いた「ツイッター創業物語」によると、ファッションやヨガなどの趣味に熱を上げ、「ツイッターにはそれほど注力していなかった」(同書)という。

 経営陣の混乱の弊害はそのまま業績にも現れてしまっているようだ。06年に創業したツイッターは、利用者数が約3億人を超えたところで足が止まった。フェイスブックと並ぶSNS(交流サイト)の雄と持ち上げられながら、ユーザーの伸び悩みとともに赤字体質から脱却できない。

 13年に上場を「強行」したものの、広告を通じて稼ぐビジネスモデルの構築は遅々として進まず、利用者数が5億人を突破したインスタグラムなどの後発組にも追い越されつつある。

 苦境に立たされたドーシー氏はついに身売りを考えるところまで追い込まれたようだが、「もはやついていけない」と見切りをつける従業員が後を絶たないことが、幹部流出の第二幕で明らかになってしまった。

買収先としてはなお魅力も