東武は西武の改装のあおりを受けたが、今夏に巻き返し策を打ち出した。これまで丸ノ内線の改札口がある地下道の顧客をうまく取り込めないのが大きな課題となっていた。そこで7月に改札口前の地下1階入り口に約2億円を投じ「HANA3TERRACE(ハナサンテラス)」と呼ばれる売り場を設置した。
西武に対抗するため、スイーツの販売を中心に展開し、国内外から和洋菓子6店舗が2週間ごとに入れ替わる売り場にした。それまで入り口付近は地味な空間だったが、華やかで活気ある場所に生まれ変わった。東武池袋の広報は「集客効果は確実に上がっている」と話す。
特に20~40代の若い顧客が増えている。強みとしている地下2階の生鮮品売り場への誘導効果も出ているようだ。これまで西武に顧客が流出していたが、歯止めがかかっている様子だ。
一方、ライバルの西武百貨店池袋本店はセブン&アイ・ホールディングス傘下となり、食品売り場を強化してきた。2009年に食品フロアの改装を実施し、東武の顧客を奪った。
強化策として、女性客に人気が高いスイーツ売り場を充実させた。人気店に声をかけ、今ではブランド数で日本一の売り場となり、選択肢の多さから、顧客の高い支持を得ている。