ただ、食料品と化粧品に関しては販売好調だ。食には多少お金を使っても良いという消費者は多く、百貨店の新鮮な食材を求めるニーズは高い。
こうした傾向を読み取ってなのか、そごう・西武は西武所沢店(埼玉県所沢市)1階の婦人服売り場を17年中に食品売り場に転換する。需要の高い食品売り場を拡充し、売り上げを伸ばすのが狙いだ。
インバウンド需要をうまく取り込めなかった東武池袋もほかの百貨店より早く食に活路を求めた。おそらく、衣料品よりも人間の食に対するこだわりの強さを感じ取っているからだとみられる。
今年の池袋デパ地下の年末商戦は、東武の巻き返しで例年になく激しい。東武は昨年12月29~31日の3日間の売り上げが1日平均比で2.4倍を記録したが、今年はハナサンテラスなどで、それを上回る数字を目指している。
一方の西武も品ぞろえの豊富さや緻密なデータ戦略を駆使して、稼ぎ時の年末商戦に臨む。ほかの百貨店が元日を休業する中、来年の初売りは1月1日から開始し、ライバルとの差別化に余念がない。(黄金崎元)