■不測の事態を想定していたか
▼アイエス アイエスは12月7日、広島地裁から破産開始決定を受けた。負債総額は、パナソニックプラズマディスプレイ(11月特別清算)に次ぐ今年2番目の規模。
同社は大型の宅地開発やマンション分譲を手掛け、物件販売がまとまった際には年間売上高が100億円を突破することもあったが、業績変動が大きく散発的に億単位の赤字を計上。
1996年から広島市北西部で開発されている「西風新都」の一部「善當寺工業地区」(ヒューマンライフパーク)の開発に着手。開発規模127ヘクタールの超大型物件で、用地購入に200億円、造成工事に300億円を要した。96年11月に開発許可を得て、99年度の完成予定となっていた。開発はゼネコン4社の共同事業体(JV)が行っていたが、思い通りに事業は進まず計画が頓挫。JVの組織企業が相次いで破綻したことで開発再開のめども立たず、金融機関からの借入金は債権回収会社へ債権譲渡されていた。近年は実質的に営業を行っておらず、今年6月に債権者から破産を申し立てられていた。
▼エス・ディー・エフインテグレーション エス・ディー・エフインテグレーションは12月5日、東京地裁から破産開始決定を受けた。同社は音楽イベントやスポーツイベントの企画・運営の請負業務を手掛け、プロバスケットボールチームのマネジメントやラグビー、アメリカンフットボールのイベント運営などで実績があった。