自動運転タクシー、20年実用化へ実験始動 「主人の運転より安心」の声も (2/2ページ)

乗客を乗せて走る実証実験中の自動運転タクシー。運転席に座るドライバーは運転操作をしていない
乗客を乗せて走る実証実験中の自動運転タクシー。運転席に座るドライバーは運転操作をしていない【拡大】

  • 神奈川県藤沢市で行われたロボットタクシーの実証実験。参加者は快適な乗り心地に目を見張った
  • 自動運転タクシー内に設置されたカメラやレーダー

 自動運転のタクシーやバスは、コストの大半を占めるドライバーの人件費がかからないため、安い運賃を設定できるほか、利用客の少ない過疎地などでも採算がとれるようになる。

運転手不足も解決

 ドライバーの高齢化で人材確保が課題となっているタクシー業界にとってもメリットは大きい。国土交通省によると、60歳以上のドライバーの割合は2014年時点で53%に上り、10年間で2.5倍も上昇した。あるタクシー事業者は「地方へ行くほど、なり手が集まらない。このままでは事業が成り立たなくなる」と危機感を募らせる。

 山口県が過疎化の著しい周防大島町を「自動運転特区」に認定するよう国へ要望するなど、新たな公共交通機関を確保したい地方自治体の期待も高まる一方だ。自動運転タクシーの実用化に向け国交省は昨年末に戦略本部を立ち上げ、警察庁も有識者会議で課題の洗い出しを始めた。保険各社は自動運転に対応したサービスを検討している。

 海外では、IT企業や自動車メーカーが自動運転技術の開発でしのぎを削っている米国のほか、社会実験に熱心なシンガポールで昨年から試験運行が始まっている。ロボットタクシーの中島社長は「五輪を見据えた政府の後押しと、産官学の枠を超えた協力態勢が日本の強みだ」と語り、オールジャパンでの早期実用化に意欲を燃やしている。(山沢義徳)