トヨタの対米1兆円投資、ソフトバンク・孫氏の“兵法”にならう トランプ氏に配慮、経済貢献を強調

 トヨタが北米国際自動車ショーで大規模投資を表明したのは、米国での投資・雇用確保を最重要公約に掲げるトランプ次期大統領の批判をかわす思惑からだ。今回の投資方針の打ち出し方は、昨年12月に同氏と会い、4年で5.7兆円の投資を表明したソフトバンクグループの孫正義社長と同じ手法。孫氏の計画を称賛したトランプ氏がトヨタにも理解を示せば、孫氏の“兵法”が対応策として広がる可能性もある。

 豊田章男社長は9日、米国でのこれまでのトヨタの投資実績を強調した上で、今後の投資計画を表明。トヨタの過去60年の年平均の米国投資額は3.7億ドルで5年累計では18.5億ドル。

 これに対し今後5年の投資額は、その5.4倍の巨額に上る。トヨタは100億ドルに向けた具体的な計画を明らかにしていないが、既に決まっていた計画がほとんどという。そうした積み上げの計画の数値をひとまとめにして巨額投資の姿勢を示し、米経済への貢献を表明することを優先したとみられる。

 先例は孫社長だ。昨年12月のトランプ氏との会談で、米への巨額投資を表明した孫氏をトランプ氏は「偉大な男」と持ち上げた。ただ、トランプ氏が批判するメキシコ新工場建設をトヨタは予定通り進める方針で、投資表明の手法は孫氏と重なるが効果は同じといえず、トヨタにとって先行きは楽観できない。