自動車部品メーカーのユーシンは10日、同日付で岡部哉慧専務(69)が社長に昇格する人事を発表した。田辺耕二会長兼社長(82)が「一身上の都合」により同日、辞任した。
田辺氏は創業家出身で、1978年に社長に就任して以来、40年近く経営トップとして君臨した。2010年に実施した次期社長の一般公募や、14億円を超える高額報酬などが話題を呼んだ。
ユーシンは部品の不具合などで16年11月期の最終利益が赤字に転落する見通し。東京都内で記者会見した岡部氏は「(業績回復には)社長自ら動かないといけない」と強調し、「田辺氏は高齢で積極的に動くことができないので本人から(辞任の)申し出があった」と述べた。
またユーシンは10日、役員報酬の総額を年30億円から5億円に減額し、今月から2カ月間、役員報酬を5~50%削減する方針も明らかにした。
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【プロフィル】岡部哉慧氏
おかべ・かなえ 関西大卒。1969年有信精器工業(現ユーシン)。取締役などを経て2015年2月から専務。69歳。広島市出身。