東芝が米原発子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)の事業価値や資産を見直し、損失計上を検討していることが11日、分かった。損失額は数百億円規模に上る可能性がある。既に米原発事業の別のグループ会社で数千億円規模の損失が発生する見通しとなっており、WHでさらに損失を計上すれば、東芝の財務は一層悪化しそうだ。
東芝は先月27日、2015年末にグループ傘下とした「CB&Iストーン&ウェブスター(S&W)」に関し数千億円規模の損失が出るとの見通しを発表したが、実際に買収を手掛けたのがWHだった。この買収でWH本体の事業価値が大きく損なわれた恐れがあるとして、S&W分とは別に精査が必要と判断したとみられる。損失を計上する場合は、WHの資産や事業の評価を低く見直す減損処理を行う。
東京電力福島第1原発事故で世界的に原発新設が停滞しており、WHも事業環境は厳しくなっている。東芝はWHについて、昨年も約2500億円の損失処理をした経緯がある。
東芝はS&Wの損失を2月中旬に発表する16年4~12月期決算までに確定する。併せてWHについても判断する方針だ。