■「貯蓄から投資へ」持続し成果を出す
--昨年の振り返りと、今年の重点テーマは
「昨年は想定外の連続だったが、最後になってトランプ次期米大統領が掲げる経済政策への期待を背景とした『トランプ相場』という前向きなサプライズ(驚き)で締めくくった。それでも、相場環境が良くない時間帯が長かったこともあり、『貯蓄から投資へ』の流れは足踏みした。今年は3カ年の現中期経営計画の最終年度を迎える節目の年でもあるので、『貯蓄から投資へ』にしっかり取り組み、成果を出していく」
--2016年9月中間決算では国内営業部門が低調だった。足元では個人投資家の取引に回復がみられるか
「個人投資家は少しずつ戻ってきているが、完全に戻ったとはいえない。株式相場の上昇が急ピッチだったため乗りきれていない人もいるし、トランプ相場に懐疑的な人もいる。それでも(トランプ相場で)売買が盛り上がり、当社の受け入れ手数料には追い風だ。一方、個人が資産運用を金融機関に一任するラップ口座では、昨年10月に富裕層向けを始めたのに続いて、インターネット経由でサービスを提供する資産形成層向けを1月末にも投入し、商品の幅を広げていく」
--英国の欧州連合(EU)離脱問題への対応は
「現状、欧州の事業拠点はほぼ英国に集約しているが、英国の拠点を移転するというのはまったくない。ただ、EU全域で自由に営業ができる『単一パスポート』制度が維持されなくなった場合は、証券業を営む免許を改めて取得して顧客対応に当たる必要があるため、欧州のどこかに拠点を置かなければならない。具体的な検討には至っていないが、常識的に言えばドイツ・フランクフルトやアイルランド・ダブリンなどだろう。いろいろなスタディー(研究)はしている」