自治体の財源確保を支援しているのがホープ。自治体が発行する広報紙などの空きスペースを購入し、企業に広告枠として販売するのが事業の仕組みだ。地方財政の借入金残高は2016年度末時点で、196兆円にまで積み上がる見込みだが、介護、医療、子育て支援など、自治体が担うべき役割に応じた財源確保の重要度は増すばかりだ。時津孝康社長は「自治体に特化した事業領域を広げていき、日本全体を活気づける」と意気込んでいる。
--売上高のほとんどを広告関連事業が占めている
「広報紙のほか、ホームページ、職員の給与明細、各種封筒など自治体のあらゆる媒体が対象となる。いわゆるデッドスペースを有効活用することで歳入増につなげている。広告主にとっては企業としての信頼感やブランディング強化などの効果が期待できる。ほかにも住民に配布する子育て手帳や防災手帳を無償で制作する代わりに、当社は広告枠を販売する。自治体にとっては省人化と歳出削減につながっている」
--起業後、1年8カ月にわたって成約がゼロだった
「福岡県を中心に、県庁や市町村役場などに日参したが、担当者が会ってくれないこともあった。しかし何度も訪れるうち、福岡県太宰府市の担当者がようやく話を聞いてくれて、06年10月に第1号となる広報紙の広告枠買い取り契約を結んだ。それ以降、会社に毎日のように問い合わせの電話が来るようになった。自治体は前例や実績を重視するので、信用を得るまでが大変だった」