■ニーズ先取りの商品で収益力アップ
--どんな年にするのか
「2016年は、IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、自動運転など、かつては実現が困難と思われていたものが夢物語ではないと感じられた年だった。17年はそれらが実現に向けて動き出す年で、『成長と変革』がキーワードになってくる」
--社長に就任して2年目に入る
「重要なのは、収益のある製品をいち早く世の中に送り出すことだ。かつてのビジネスは、製品ありきの『モノ起源』が主流だったが、現在は顧客のニーズに応じて製品を提案する『コト起源』に移行してきている。市場のニーズを先取りして商品企画を行い、収益力を上げていきたい」
--具体的に行うことは
「自社と、傘下にあるドイツのエプコス、スイスのミクロナスのセンサー事業を統括する組織を作る。米アップルや韓国サムスン電子向けに、物の動きを検知するセンサーを供給する米インベンセンスの買収も収益に貢献する。センサー技術は、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)の分野に応用すれば、さまざまな触感を再現できるなど、視覚にとらわれない体験ができるようになる。開発も日本国内で一本化する必要はない。米国のシリコンバレーには通信、センシング、薄膜材料デバイスの最先端の拠点がある。中国・深センではスマートフォンメーカーに勢いがある。世界各地でアンテナを張りめぐらして、顧客のニーズをキャッチしていきたい」