平成28年の電子出版物の売り上げが1909億円となり、前年比27.1%増と大きく伸びたことが25日、出版科学研究所(東京)の調査で分かった。紙と合わせた出版物全体の市場規模は1兆6618億円で、前年比はほぼ横ばいの0.6%減。電子が出版市場の1割を超え、紙の出版物の落ち込みを補っている状況が浮き彫りになった。
電子出版のうち、電子雑誌は定額読み放題サービスが人気で前年比52.8%の大幅増。電子コミックも伸長し「紙と電子を合わせたコミック市場が過去最大規模になった」(担当者)という。
紙の出版物は35年ぶりに1兆5千億円の大台を割る1兆4709億円。12年連続の前年割れとなった。昨年の速報値では、41年ぶりに雑誌の売り上げが書籍を下回ったことが判明していたが、確定値は雑誌が7339億円、書籍が7370億円だった。