【兵庫発 輝く】ナカムラ 商品企画力で守る神戸のマッチ文化 (2/5ページ)

2017.1.26 05:00

神戸市で唯一のマッチメーカーとなったナカムラの工場。箱詰機は受注時に稼働させる=神戸市長田区
神戸市で唯一のマッチメーカーとなったナカムラの工場。箱詰機は受注時に稼働させる=神戸市長田区【拡大】

  • 中村和弘社長
  • 神戸セレクション10で選定された「神戸開港150年記念缶マッチ『波止場』」

 そんな中、同社はBtoB(企業間取引)からBtoC(個人向け販売)へと方針転換した。「他業種の先輩経営者からのアドバイスがヒントになった」と中村社長は振り返る。その第1号の商品がマッチ箱の表裏に「異人館」や「神戸港」など神戸をイメージした2コマ漫画を載せた「2こまッチ」だ。2007年、神戸ブランドの新商品として内外に売り出す神戸市産業振興財団の「第1回神戸セレクション」に選定され、観光地の土産物店などで飛ぶように売れた。16年には神戸開港150年記念バージョンのマッチも出品し、根強い人気を誇っている。

 同社の個性的な商品は箱のデザインだけではない。燃やすとビャクダンの香りが広がるフランス製の紙とセットにした「マッチ&パピエル」や、バースデーケーキ用のろうそくに火をつけやすくするため、通常より約2倍の長さにした「バースデーマッチ」、マッチ棒の頭薬に防水加工を施した「ポケット缶マッチ」など、企画力を武器にしたマッチを世に送り出した。

 ◆防災グッズで注目

 マッチの有用性が改めて見直されるきっかけになったのが、2011年の東日本大震災。電気やガスのインフラが寸断され、電灯や暖房が使えなくなった被災地で、マッチでともすろうそくの明かりが重宝がられたという。

 同社は08年から、ふたの内側に側薬を付けたスチール缶入りマッチを製造販売していたが、震災後のニーズの高まりを受け、ろうそくをセットにした「防災用缶詰マッチ」を販売した。「ライターは徐々にガスが抜けていくが、缶入りマッチは適切に保存すれば長く使用できる」と中村社長はアピールする。

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