なぜ「ダイソン」は高価なのに売れる? ヒット商品作れない日本企業の落とし穴 (1/3ページ)

2017.2.4 16:09


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ダイソンの掃除機がヒットするわけ

 「イノベーション」と聞くと、米ハーバード大学のクレイトン・クリステンセンによる「イノベーションのジレンマ」を思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、経営学者たちが取り扱うのは「イノベーションのジレンマ」ではありません。近年、最も研究されているイノベーションの理論は、「両利きの経営(ambidexterity)」です。両利きとは、「知の探索」と「知の深化」を高次元にバランスよく取る経営という意味です。

 「知の探索」とは、知の範囲を広げるということです。イノベーションの父と呼ばれるジョセフ・シュンペーターの有名な考え方に、「イノベーションの源泉の一つは、既存の知と、別の既存の知の、新たな組み合わせである」というものがあります。企業やビジネスパーソンは、様々な知を組み合わせることで新たなアイデアを生むため、知の範囲を広げる必要があるのです。

 たとえばトヨタの大野耐一氏が、アメリカのスーパーマーケットの仕組みと自動車生産を組み合わせ、「カンバン方式」を生んだことは有名です。

 そして収益を上げるような知が生み出されたら、それを継続して深めていくことも求められます。それが「知の深化」です。したがって重要なのは両者のバランスですが、企業は「知の深化」に偏り「知の探索」を怠りがちな傾向があります。知の探索はコストがかかるうえ、組み合わせても収益に結びつかないことも多いからです。

「技術を磨き上げれば売れる」はもう通用しない

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