【高論卓説】東芝、資金難なのに不可解な米社買収 どこにそんな余裕があったのか (2/3ページ)

2017.2.7 06:40


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  • 東芝の本社ビル=東京都港区芝浦(撮影・大竹信生)

 2つの工事は08年に受注、11年から着工する予定だったが、11年3月11日の東日本大震災の影響で米国では原子力発電所の安全基準の見直しが起こり、米原子力規制委員会(NRC)の認可なども再び取り直さなければならなくなり、工事の着工が13年にずれ込んだことなどで、コストオーバーランになっていたという。

 東芝は16年12月27日に「CB&Iの米子会社買収に伴うのれんおよび損失計上の可能性」というニュースリリースを発表し、「必要なのれんの計上額は当初想定の8700万米ドルを超え、現時点で数十億ドル規模になる可能性が生じました」と説明した。

 しかしこの話にはいくつか不可解な点がある。まずなぜ15年10月に買収したのかということだ。

 東芝は同9月15日には特設注意市場に移され資金調達もままならず銀行から新規で2年間、4000億円のコミットメントラインを結んでもらったばかり。資金的にも余力があるわけではない。同12月には「新生東芝アクションプラン」を発表。その後事業部の大幅な再編と白物家電や東芝メディカルシステムズの売却などを進め、1万4450人(3100人がグループ内の配置転換、1100人がソニーへの移籍)のリストラが行われた。

買収価格の数十倍の損失が発生するのは考えにくい話

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