東芝の綱川智社長は14日の記者会見で、半導体事業を分離して設立する新会社について「柔軟に考える。全ての可能性がある」と述べ、全株売却もあり得るとの認識を示した。経営権にこだわらない条件を示して売却を確実にし、財務の立て直しを急ぐ。巨額損失の原因となった原発事業は、英国と米国の子会社株式の売却などを進めて海外中心に縮小する。
傘下の英原発事業会社「ニュージェネレーション」の持ち分は売却する方向だ。米原発子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)への出資比率の引き下げも検討する。
東芝は半導体の主力製品「フラッシュメモリー」を分社化し、外部の出資を募る入札手続きを実施している。当初は影響力を残すため全体の2割未満の株式売却にとどめると説明していたが、危機的な状況に陥ったため方針転換を視野に入れる。 綱川氏は「半導体事業以外に(グループ会社で)売却を検討しているものはない」と述べた。