三菱自動車は17日、フィリピン工場で小型車「ミラージュ」の生産を始めたと発表した。乗用車はこれまでタイなどから輸入していたが、市場の成長を見込み現地生産に切り替える。4月にはインドネシア工場が稼働する計画で、主力の東南アジアで生産態勢を強化して収益拡大を目指す。
フィリピン工場は従来、現地で需要が大きい商用バンを生産してきた。
新ラインには約100億円を投じ、乗用車の生産能力を年5万台とした。将来の輸出も視野に入れる。
三菱自の2016年の現地販売は、前年比12.9%増の5万9480台。市場規模は依然小さいが、シェアは15.3%と高い。乗用車普及を先導する小型車の生産・販売を強化し、シェア確保を狙う。
ミラージュはフィリピン政府が進める自動車産業育成政策の支援対象となり、税制などの優遇措置を受けられることも現地生産を後押しした。
三菱自の17年3月期の世界販売92万1000台のうち、東南アジア諸国連合(ASEAN)は20万6000台と約2割を占める見込みだ。
同地域で輸出もするタイ(生産能力42万4000台)やインドネシア(16万台)に次ぐ、重要拠点としてフィリピンの生産態勢を整える。