総務省やNECなどは23日、スマートフォンのアプリやSuicaを使って入国後のホテルのチェックインや免税店の買い物などをスムーズに行えるようにする、訪日客向けの「IoTおもてなしクラウド」の実証実験を羽田空港などで実施した。同省は2017年度まで実証実験した上で、18年度以降、NECなど民間事業者が中心に商用化を目指す。
おもてなしクラウドは、訪日客がパスポートや食の好みなどの情報をスマホのアプリを使ってクラウドに登録後、スマホとSuicaをひも付けることで、Suicaでこれらの情報を呼び出せるようになるサービス。
これにより、バスの切符を買う際にSuicaを提示することで、バスの到着時間がホテルに自動で案内されたり、レストランでSuicaを提示すると食の好みの情報がレストランに伝えられるようになる。また、免税手続の際も、パスポートの提示などが不要になる。
実験に参加した英国籍のトーマス・ウォーカーさん(25)は「免税の手続きが楽にできるのは便利だ。食べ物のアレルギーを持っている人の情報が伝わるのも役に立つと思う」と話した。
総務省は、Suica以外のICカードの利用やスマホだけを使ったクラウドに登録した情報の呼び出しもできるようにする考えだが、外国人向けにクラウドやアプリの周知なども課題になりそうだ。