JR四国の半井社長は「路線廃止は現時点で全く考えていない」としながらも、「10年、15年先の四国の公共交通のあり方を、関係者で意見交換する必要がある」と路線維持の難しさをにじませる。
沿線人口が減少するなか、鉄道利用客を確保するためには観光需要の掘り起こしが欠かせない。
「四国まんなか千年ものがたり」の上り線は多度津駅を午前10時21分に発車し、大歩危駅に午後0時48分に到着する。このダイヤは岡山県から四国に入る瀬戸大橋線や、高知や徳島県の中心部に向かう特急列車への乗り換えがスムーズになるよう考えられた。それは四国を訪れた観光客の滞在日数を伸ばし、他の路線を使って各地を巡ってもらうための布石ともいえる。
半井社長は「四国にはまだまだ魅力的な路線がある。社会インフラである路線を守るためにも、3匹目のドジョウも考えたい」と、新たな観光列車の開発にも意欲をみせている。