これに合わせ、上場企業は制度に対する対応を急ピッチで進め、形の上ではコードが求める要件を多くの企業がクリアできる状況になっている。ただし、形を整えても、内容が伴わなければ意味がない。そこで同協会は、制度設計の段階からその内容について、熱心に提言を続けてきたほか、制度整備の段階に移行後は、その仕組みをどう企業の成長に結びつけるのかについて、セミナーなどを通じ啓発してきた。今回の大阪でのセミナーは、この動きをより強化するものでもある。
企業の“稼ぐ力”取り戻す役割
こうした趣旨に基づき、2日は実際にこうした仕組みを活用して高収益企業への変身を遂げたりそなホールディングスの取締役兼代表執行役である古川裕二氏を講師に招き、ケーススタディーを行った。
古川氏は、りそなグループがバブル崩壊後の銀行再編や不良債権処理、2000年代初頭の公的資金注入といった厳しい経営状態から脱却、再生を遂げた過程を説明するとともに、2000年代後半からの営業力強化策や10年以降に持続的な成長が実現していった経緯などについて紹介した。この中では古川氏は、同社の再生と成長を促す原動力となったコーポレートガバナンス体制について言及。同社の取締役10人のうち6人が独立社外取締役になっている現状などを解説している。