住友化学は7日、有機ELディスプレー向けタッチパネル部材の生産を増強する、と発表した。韓国子会社の生産能力を現在の3倍強に引き上げ、2018年1月に量産を始める。投資額は非公表。スマートフォンで有機ELを搭載した機種が増えているのに対応する。
生産を増強するのは、折り曲げられるフレキシブル型の有機ELパネルに対応したフィルムタイプの部材で、画面上の指の動きを検知するセンサーを組み込んでいる。折りたためるフォルダブル型にも対応可能。住友化学は、14年から韓国の東友ファインケム社で同部材を生産している。
スマホへの有機EL搭載をめぐっては、韓国サムスン電子が先行しているほか、米アップルもここにきて採用を決め、需要が急拡大しつつある。住友化学のディスプレー材料事業は、売上高の約8割を液晶向けが占めているが、今回の能力増強などにより、20年には有機EL向けの比率を45%に高める計画。また、同社は有機ELスマホ向けのタッチパネル部材で約7割のシェアを握る世界最大手で、積極増産に踏み切ることによりトップを堅持する構えだ。