政府が検討する残業時間の規制で焦点となっている繁忙期の上限特例に関し、経団連と連合が「月100時間未満」で合意する見通しになったことが9日、分かった。実施から5年後に上限引き下げを含めて見直すことを前提にする方向だ。経団連の榊原定征会長と連合の神津里季生会長が10日にも合意する。
企業の競争力を維持するため、繁忙期の残業上限月100時間を主張する経団連に対し、連合は過労死リスクがあるとして反発。政府の働き方改革実現会議で安倍晋三首相が労使の合意形成を強く要請したことを受け、双方が妥協できる「月100時間未満」との表現にとどめることで最終調整に入った。
経済界と労働界が残業規制で足並みをそろえることを受け、政府は働き方改革の実行計画を今月中に策定。規制を違反した場合の罰則を設けた労働基準法の改正案を国会に提出する。